中尊寺を観光した後は、「世界遺産の隠れ宿 果実の森」に宿泊しました。2018年の新しい宿であるというところと、全部屋に源泉かけ流し100%の檜の内温泉がついているのが売りです。
かなり暗い山道をずんずん進んだところにありました。鳥目のドライバーは要注意です。一度間違った細道に入りバックで出ざるをえませんでしたが、鳥目でなくても見えなかったので大変でした。道中はたまに「山桜 桃の湯」という看板が現れるだけで他には何もなく、カーナビに違う宿を入れてしまったのかと不安になりましたが、どうやら「山桜 桃の湯」の高級別棟が「世界遺産の隠れ宿 果実の森」のようです。「山桜 桃の湯」には数種類の大浴場や食事処があり、大衆演劇などもやっていますが、「果実の森」の客も「桃の湯」の設備を自由に使えるとのこと。
今回は到着が遅かったので部屋の温泉のみ利用しましたが、調べてみると桃の湯には天空露天風呂という景色が良さそうなお風呂やくり抜き風呂などいろいろあってよさそうだったのでそちらにも行けばよかったかなと思います。
「世界遺産の隠れ宿 果実の森」の玄関やフロントはなぜかアジアンな雰囲気。高めの温泉旅館の割に駐車場への出迎えもなくフロントは一人で無駄を省いておりがらんとした感じです。こういうところが老舗とは違いますね。どこかビジネスホテルライクです。人となるべく触れ合いたくない方にはいいかも。
予約ページには書いてありませんでしたが、色浴衣が無料だったのはうれしい。フロントで好きなのを選んで持っていくシステムです。
ただ、スリッパがありません。裸足で歩けるというコンセプトみたいですが、部屋の中はともかくフロントから部屋までもスリッパがないのはどうなのでしょうか。私は落ち着かないながらも平気でしたが、同行の方は部屋の中でもスリッパを履かないと辛いタイプで非常に嫌がっていました。部屋にいってからどうも落ち着かないということで再度フロントに戻って尋ねると、スリッパの用意はなく、販売していたものも今は品切れとのこと。少なくとも選択肢はほしかったですね。結局、「今まで他の方が履いていたのなら1足あるのですか・・・」と提案され、同行の方はそちらを履いてなんとか落ち着きました。
設備自体は非常によく、私の家全体と変わらないじゃない!?というくらい広い部屋、紅葉し始めた木々が見下ろせ、内風呂も大きな窓からきれいな景色が見えます。
椅子がやたらに多く、テレビ前にソファ、窓際にはニイチェア風の椅子2客、アジア風の丸い座布団のような椅子も2客あります。家電もおしゃれで、通常旅館のテレビなどはよく知らないメーカーのものだったりしますが、パナソニックやTOSHIBAなど大手メーカーで揃えられていました。USBポートが壁に造り付けてあり、各種充電用ケーブルもあります。デザイナーズマンションという感じです。
お風呂も檜でものすごくいい香りです。外風呂と違って温度を調整できるのは素晴らしい。デフォルトが40度で、出てくる湯の量を増やすことで温度をあげられます。
お菓子も普通においてあり、ドトールのインスタントコーヒーや抹茶ラテとティーラテまで。コーヒーが飲めない私には嬉しい。ただ緑茶は1人1つのティーバッグしかありません。一日何杯も緑茶を飲む静岡人には辛い・・・しかも味はスーパーホテルのスティックタイプの粉末茶よりも劣りました。今回はたまたま、昔持ち帰ったスーパーホテルのスティック緑茶を持っていたのでそちらを飲みました。
お風呂セットには足袋靴下が入っていました。
ちょっとおもしろかったのは英語です。
“Air conditioner is touch panel.”
“I will dry so please use.”
全体的に豪華ですが、心遣いがずれているのか現代的なのか、かゆいところに手が届かない感じはありました。老舗ではないのでなんとなく地に足がついていない感じというか、落ち着かない感じ・・・。がらんどうで、旅館の賑わいのようなものもありません。代わりに静けさはありますが・・・まぁ何でもかんでも要求するのは贅沢でしょう!たまの旅行なので、つい要求が大きくなってしまいます。スリッパと緑茶以外に不足なものはなく、部屋は開放感があり、お風呂も好きな温度にでき、景色も素敵で概ね快適に過ごせました。
ただ、最終日に宿泊した岩手県花巻温泉郷の老舗「大沢温泉」は、この宿よりも安かったのですが、上記の不足がすべて補われていて老舗ならではのよさがありました。これはまたあとで書こうと思います。