以前、NHS(イギリスの国民保険サービス)に登録できるならAIUなどのプライベートの海外旅行保険に入る必要はないという記事を書きましたが、ビザの期限には注意してください!

ビザの期限が切れるとNHSの登録も抹消されます。私たちは最初普通の学生ビザ(Tier 4 Student Visa)を持っていたのですが、期限が切れるので、一度国外に出てStudent Visitor Visaという半年のビザ(正確にはコースが終了するまでのビザ。予定では4か月)を取得しました。ところが、基本的に、半年以下の滞在の学生はNHSには 「Student Visitor VisaとNHS(イギリス国民保険)の登録」の続きを読む…

海外赴任者の労務: -給与・社会保険・労働保険-

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ベルファストでの保険ですが、私はAIUの海外保険に入りました。いろいろなコースがあるのですが私はたしか3年で26万くらいの一番安いF40コースでした(今はこのF40コースはなく、賠償責任がついてもう少し高くなるようです。一番近いのはDC0コースと言われました)。海外旅行保険を3年に延ばした形だったと思います。

加入した理由は、イギリスでは予約してから診察してもらえるまでの期間が長いという話をブログで読んだり、日本では保険が効くような治療にイギリスでは保険が効かないことがあると保険会社の人から聞いたりしたからです。
しかし入らなければよかったと後悔しています。もうその保険は切れているのですが、更新するつもりはありません。

→ただし、私はビザが切れたと同時に保険が切れ、一時期大変なことになりました。その話はこちら
まず、NHS(イギリス健康保険)に登録していれば(留学期間が半年以上ならイギリスにきてすぐ登録できます)、ベルファストの公立の病院では、緊急でしたらちゃんとすぐに診察してもらえます。私はベルファストでおなかが1週間以上痛かったことがあり、耐えきれなくなったのが土曜日の夕方でした。まずAIUに電話したのですが、調べてもらったところ、私立(プライベート)の診療所はどこも開いていないということ(これを自分で調べるのは大変だったと思うので、この点についてはAIUに感謝)。そこでベルファストのGPにダメもとで連絡したのですが、せかしたわけではないのに、3時間後くらい(夜)にあっさり予約が取れました。

場所はGPではなく遠めの総合病院で、タクシーで行きました。タクシー代だけはAIUから出るらしいのですが、診療したという証明書をその総合病院ではもらえず、GPでは「?これでいいのかね?」と手書きの紙を渡されただけ。使えるかわからず、タクシー代も1500円くらいのものなので申請しませんでした。

ちなみに緊急でない場合は、たいてい電話した日の2~5日後位に予約を入れられます。ロンドンブログなどを読むともっと時間がかかるようなので、これは私が田舎に住んでいるせいもあるかもしれません。

夫がけがで救急に直接行ったことも2回ほどありますが、混んでいて座れなかったですし、結局2時間位待ちました。たまたまかもしれませんが医者の治療もいい加減でした。おとなしくGPに電話した方が無難だと感じました。

AIUのスタッフは親切でしたが、医療相談は微妙でした。結局胃炎だったのですが、症状を言ったら「妊娠ですかね」と。まぁ電話では無理でしょうね。

またベルファストはプライベートの診療所はそこまで充実していないように感じました。たいてい平屋の普通の家みたいな所です。一方公立は立派な総合病院。わざわざプライベートにかかる気になりません。また、知り合いの旦那さんがベルファストでお医者さんをしているのですが、プライベートのお医者さんであっても、必ず公立の病院で週に1回?働くのが義務だそうです。ですから、プライベートに行かないと名医にかかれないということもないのだと思います。

ロンドンの銀行で働いているイギリス人は、会社で入っている保険がものすごくいいもので、入院するとホテルみたいな待遇だと言っていましたが、AIUの保険でこういう病院を使えるのかは不明です。おそらく使えないのではないでしょうか。

しいてAIUの保険でよかったことを挙げるなら、世界共通なので、海外旅行に行くたびに海外保険に入る必要がなかったことです。しかしそれも丸井のクレジットカードに付いている旅行保険で充分かなという気がしています。

そうそう夫は得をしました。夫は家財保険も付けたのです。3年で健康保険も合わせて40万くらいだったと思いますが、私たちが日本にいるときにベルファストの家の水道管が壊れて家具などが水浸しになり、満額おりました。ベルファストはインフラが弱く、こういう事故の話は日本よりよく聞く気がします。

保険診療の内容はイギリスと日本では一長一短で、日本の方が全般的に優れている、というわけでもありませんでした。保険診療では足りないからAIUの保険でまかなおう、という場面になったことはありません。イギリスの保険診療の方が日本より充実している分野もあります。
ただ、歯医者に関してはイギリスはひどいそうです。台湾人がちょっとだけ治して数万取られ、レベルも台湾より低いと言っていました。日本では歯医者が余っていますが、イギリスでは不足しているそうです。イギリス人が東欧に歯の治療に行くツアーがあるほどです。旅行費をいれても安く、治療のレベルは高いのだとか。歯医者だけは保険に入ってもよさそうなのですが、AIUの保険では歯医者はオプション(結構な追加料金が必要)になります。
私は年に1回日本の歯医者で検診/歯石取りをし、音波歯ブラシ(フィリップスのソニッケアー)ソニッケアー エアーフロス(電動デンタルフロス)、それに普通の歯間フロスでケアして、イギリスでは歯医者に行かないようにしています。

というわけで、私にとって26万円の海外保険は無意味でしたが、家財保険や歯医者の保険を付けたい人、頻繁に海外旅行に行く人は、AIUの海外保険を検討してもいいと思います。

追記:
イギリス滞在予定が半年未満の留学生も、NHSに登録できないため、プライベートの保険に入ったほうがいいと思います。また、予定より滞在期間が延びる場合も注意してください。私は困りました。詳しくはこちら